理事長ごあいさつ
当機構は、昭和48(1973)年9月に貯金保険制度の創設と同時に設立され、50年の節目を迎えました。
この間、金融情勢はもとより、社会・経済の情勢そのものが大きく変化してきました。
その中で、農業協同組合や漁業協同組合などのいわゆる系統信用事業のセーフティネットとしての役割を果たし、貯金者の方に安心してきていただけたことは、ひとえに関係者の皆さまの御協力と御指導によるものです。
農業協同組合や漁業協同組合は、信用事業以外に経済事業や共済事業なども行う総合的な事業体です。
このため、その経営が困難となった場合の対処についても、銀行などの一般の金融機関とは異なる対応が必要となります。
さいわい、平成14(2002)年度の事例以降、当機構が対応しなければいけないような事例は発生しておりません。
これは、系統組織の皆さまの御努力によって、再編を含めた経営基盤の強化が着実に実を結んできた結果と考えています。
しかしながら現下は社会・経済そのものが大きく変化しており、欧米では有力な金融機関でさえ破綻するということが現実のものとなりました。
備えを万全にしていくのは当然のことですが、デジタルやグリーンという切り口に代表される社会・経済の急激な転換(トランスフォーメーション)を取り入れた形にしていくことの重要性を、改めて感じています。
当機構は、さらなる50年に向け、これまでの知識と経験を継承することに加え、不断のアップデートを怠らず、皆さまの負託にお応えしてまいります。
これからも、変わらずの御理解と御鞭撻をよろしくお願いいたします。
令和5年10月
黒川 淳一