理事長就任挨拶

理事長 増田 直弘
このたび、農水産業協同組合貯金保険機構の理事長を務めることになりました増田直弘でございます。当機構の業務運営につきましては、平素から格別のご配慮を賜り、厚く御礼申し上げます。
当機構は、昭和48年9月、「農水産業協同組合貯金保険法」に基づき農水産業協同組合貯金保険制度を運営する認可法人として設立されました。
当機構の使命は、「農水産業協同組合が貯金等の払戻しを停止した場合に必要な保険金の支払いや貯金等債権の買取り等を行うほか、経営困難農水産業協同組合に対し合併等に対する適切な資金援助、管理人による管理及び金融危機に対応するための措置等の制度を確立し、もって信用秩序の維持に資する。」ことであります。
制度発足以来、昭和63年度から平成15年度にかけて、経営困難組合(32組合)の破綻処理に22件、1,099億円の資金援助を行ってきましたが、それ以降は幸いにも資金援助事案は発生していません。しかしながら、過去の歴史が示すとおり、経済情勢や金融情勢など農水産業協同組合を取り巻く経営環境は、時として私たちの想像を超える劇的な変動を生じることがあり、貯金者の保護や信用秩序の維持を図るという当機構のセーフティネットとしての機能がいかなるときでも十分果たせるよう万全の体制を確立していくことが重要です。
また、東日本大震災への対応として、「株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法」に基づき当該機構に出資していることを踏まえ、これまで事業者再生支援の状況等の把握に努めてきたところでありますが、今後とも㈱東日本大震災事業者再生支援機構を通じた被災地域の復興を金融面から支援してまいります。
当機構としては、このような情勢を踏まえ、中期業務目標(令和元年度~令和3年度)及び各年度の業務運営方針に掲げた系統機関等との連携を重視した破綻処理態勢の整備などの課題を着実に執行し、貯金者保護と信用秩序維持のためのセーフティネットとしての機能を果たすべく取り組んでまいります。
当機構は、決して大きな組織ではありませんが、役職員一同その任務を十分自覚し、全力を尽くしてまいりたいと存じますので、今後ともご指導・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
令和元年10月
増田 直弘