理事長ごあいさつ

理事長 黒川 淳一
当機構は、農業協同組合や漁業協同組合などの農水産業協同組合の経営が万が一破綻した場合に、貯金者の保護と資金決済の確保を図り、信用秩序の維持に資するという、いわゆる系統信用事業のセーフティネットの役割を担っています。
同様の役割を担う組織として預金保険機構がありますが、農業協同組合や漁業協同組合は信用事業以外に経済事業や共済事業も行う総合的な事業体であるという、銀行などの一般的な金融機関との大きな違いがあることから、昭和48年(1973年)9月に「農水産業協同組合貯金保険法」に基づいて設立されました。
これまで、経営が困難となった組合に対して破綻処理として資金援助を行ってきましたが、幸いにも、平成16年度(2004年度)以降はこのような事態は発生していません。
これは、系統組織の皆さまが再編を含めた経営基盤の強化に着実に取り組んできた御努力によるものと考えています。
しかしながら、デジタルやグリーンという切り口に代表されるように社会経済情勢が急激な転換(トランスフォーメーション)を行いつつある中、金融システムも刻々の変化に応じることが求められています。
特に、コロナ禍による経済の低迷は、社会活動の構造や様式を大きく変えつつあります。加えて、令和4年(2022年)に入り、ロシアのウクライナ侵攻や、急激な円安の進行など、予断を許さない情勢が続いています。
当機構は決して大きな組織ではありませんが、役職員一同、世の中の変革に応じて十分に研鑽と準備を重ね、負託に応えてまいります。
これからも御指導・御支援をよろしくお願いいたします。
令和4年10月
黒川 淳一