| (1)資金援助 @概要 |
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資金援助とは、組合が破綻した場合、機構が、信用事業譲渡・合併等を行う救済組合に対し、金銭の贈与等を行うものである。資金援助によって、合併等は円滑に行われ、破綻組合の付保貯金が救済組合に引継がれ保護されることとなる。資金援助の方法としては、金銭の贈与、資金の貸付け又は預入れ、資産の買取り、債務の保証、債務の引受け、優先出資等の引受け等、損害担保(いわゆるロスシェアリング)がある。
なお、これらの処理は、実務的には破綻組合の管理が管理人により行われていることを前提としている。
信用事業譲渡に係る資金援助は、貯金等の全額保護下においては、信用事業の全部譲渡の場合に限られていたが、平成14年度以降の貯金等の定額保護下においては、原則としてペイオフコストの範囲内で行われ、救済組合等に付保貯金と健全資産等を内容とする信用事業の一部を譲渡する場合が中心となる。
信用事業の一部譲渡の場合、信用事業譲渡されなかった債権者に対する清算配当額を確保する目的で、機構が破綻組合に対し債権者間の衡平を図るための資金援助(金銭の贈与に限る。)を行うことが出来るように手当てされている。
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| A資金援助の対象 |
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イ 救済組合
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合併等(吸収又は新設合併、信用事業の全部又は一部譲渡、付保貯金移転をいう。以下同じ。)により、経営困難組合を救済処理しようとする組合(以下「救済組合」という。)に対して、機構は、直接的に資金援助を行うことができる。
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ロ 経営困難組合
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信用事業の一部譲渡又は付保貯金移転を行う場合に限り、機構は経営困難組合に対して、債権者間の衡平を図るための資金援助を行うことができる。
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ハ 連合会・農林中金
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経営困難組合の合併等について組合に係る相互援助取決めにより援助を行う連合会等(農水産業協同組合連合会及び農林中金をいう。以下同じ。)に対して、機構は資金援助を行うことができる。
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ニ 指定支援法人
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農林中金の指導に基づき行われる合併等(付保貯金移転を除く。)について支援業務を行う指定支援法人(農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律(平成8年法律第118号)第32条第2項に規定する指定支援法人をいう。)に対して、機構は資金援助を行うことができる。
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| B資金援助の手順 |
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都道府県知事(又は農林水産大臣及び金融庁長官)による合併等に関する適格性の認定あるいは合併等のあっせんを受けた救済組合は、機構に対し資金援助の申込みを行うことができる。申込みを受けた機構は、運営委員会の議決(その際、運営委員会は機構の財務状況、資金援助見込額、ペイオフコストを考慮し、機構資産の効率的利用に配慮することとされている。)を経て、資金援助の可否及び資金援助の額その他資金援助を行うにあたり必要と認められる事項を決定し農林水産大臣、財務大臣及び金融庁長官の認可を受ける。機構は、この決定をしたときは、救済組合と資金援助に関する契約を締結し、資金援助を実施することとなる。
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| (注)
| 適格性の認定は、次の4条件をすべて満たす場合に限り、行うことが出来ることとされている。 |
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| ○ |
当該合併等が行われることが貯金者等その他の債権者の保護に資すること。 |
| ○ |
機構による資金援助が行われることが当該合併等を行うために不可欠であること。 |
| ○ |
当該合併等に係る破綻組合について合併等が行われることなく、その信用事業に係る業務の全部の廃止又は解散が行われる場合には、当該破綻組合が信用事業を行っている地域又は分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便に大きな支障が生ずるおそれがあること。 |
| ○ |
機構による資金援助が、救済組合の信用事業に係る業務の健全かつ適切な運営のために活用されることが確実であると認められること。 |
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| (2)保険金の支払い |
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機構による保険金支払の原因となる保険事故には、次の2種類があり、保険金の支払は保険事故が発生した組合の貯金口座の名寄せ(貯金者ごとの付保貯金額の算定等)等の準備が整い次第、貯金者からの請求に基づいて行われる。
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| 第一種保険事故 | 組合の貯金等の払戻しの停止 |
| | この場合、機構は、保険事故発生の日から1か月以内(必要に応じて1か月以内で延長が可能)に、保険金の支払いを行うかどうかについて、運営委員会の議決を経て決定する。 |
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| 第二種保険事故 | 組合の解散の議決に係る認可、破産手続開始の決定、解散命令、又は法定解散(注) |
| | この場合、機構の決定を要することなく、当然に保険金の支払いが行われる。 |
| (注) |
法定解散とは、組合が組織を維持するために必要な組合の法定会員数又は組合員数を欠けたことが要因で解散すること。 |
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貯金者に支払われる保険金の額は、保険事故発生日に当該組合に預入している保険対象となる貯金等の元本とその利息等の合計額で、元本の額は、決済用貯金は全額、一般貯金等は1貯金者当たり1,000万円までと定められている(ただし、担保貯金等については、当該担保権に係る被担保債権が消滅するまで支払を保留できる)。
機構は、第一種保険事故が発生した場合、保険金の支払い及び公告事項(保険金の支払期間、支払場所、支払方法、支払取扱時間等)を運営委員会の議決を経て決定し、保険金の支払いに関する公告事項を官報に掲載並びに破綻組合等の店頭への掲示等の方法により公告し、貯金者に周知徹底を図ることになっている。
また、第二種保険事故の場合には、運営委員会の議決を経ることなく保険金を支払うこととなるので、機構は周知するべき事項を定め、公告することになる。
なお、機構の保険金の支払方法には、貯金者に直接現金等により支払う方法のほか、円滑かつ迅速な支払事務処理や現金取扱いのリスク回避の観点から、他の健全な金融機関に、機構が保険金支払相当額の普通預貯金を設定し、これを貯金者に譲渡する方法もある。
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| (3)仮払金の支払 |
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仮払金は、保険事故が発生し、保険金の支払開始又は付保貯金の払戻しまでにかなりの日数を要すると見込まれるような場合、破綻組合の貯金者等の当座の生活資金等に充てるため支払われるものである。機構が仮払金の支払を行うためには、保険事故発生の日から1週間以内に、運営委員会の議決を経て仮払金を支払う旨の決定することが必要とされている。
仮払金は、各貯金者の普通貯金残高(元本のみ)について、1口座につき60万円を限度として支払われるが、後に保険金等が支払われる時には、この仮払金支払額はその貯金者等の保険金の額等から控除されることになる。
なお、仮払金を支払う場合には、公告等について保険金の支払と同様の手続きをとることとなっている。
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| (4)保険金及び仮払金支払の実績 |
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制度発足以来、保険金及び仮払金の支払の実績はない。
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| (5)保険金及び仮払金の支払業務の委託 |
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機構は、保険金及び仮払金の支払を決定したときは、組合その他の金融機関に対して、保険金及び仮払金の支払その他これに附随する業務を委託することができる。
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| (6)貯金等債権の買取り |
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貯金等債権の買取りとは、保険事故の発生した組合の付保貯金以外の貯金等(保険対象貯金等のうち決済用貯金以外の貯金等で元本1,000万円を超える部分及び外貨貯金並びにこれらの利息等)を、貯金者等からの請求に基づいて、機構が概算払額(保険事故発生日における貯金等の額に保険事故が発生した組合の破産配当見込額等を考慮して決定した一定の率(概算払率)を乗じた金額)に相当する金額で買い取る制度である。この制度によって、貯金者は弁済金・配当金の受取りを待たずに、事実上前倒しでその一部の回収が可能となる。
この概算払は、資金援助方式及び保険金支払方式のいずれの破綻処理方式においても実施できる。
なお、機構では、買い取った貯金等債権の回収額が、買取りに要した費用を控除しても、概算払額を超えるときは、その超える部分の金額を貯金者に追加的に支払うこととなっている(精算払)。
機構が貯金等債権の買取りを行う場合には、概算払率について運営委員会の議決を経て、農林水産大臣、財務大臣及び金融庁長官の認可を受けた後、買取期間、買取場所、支払方法等を定め、公告することになっている。
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| ○農水産業協同組合が破綻した場合の貯金等の取扱いの概念図 (太線内が貯金保険によって保護される) |
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(注1)「無利息、要求払い、決済サービスを提供できる」という3要件を満たすもの。
(注2) 定期積金の給付補てん金も利息と同様保護される。
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| (7)協定債権回収会社 |
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機構は、債権回収会社との間で協定を締結し、その協定を実施するため各種業務を行うことができるとされている。
具体的には、協定債権回収会社に対し、
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| @
| 協定の定めによる回収業務の円滑な実施に必要な資金の出資を行うこと |
| A
| 協定の定めによる業務の実施により協定債権回収会社に生じた損失の補填を行うこと |
| B
| 協定の定めによる資産の買取りのために必要とする資金その他回収業務の円滑な実施のために必要とする資金について、協定債権回収会社からの申込みに基づき、資金の貸付け又は資金の借入れに係る債務の保証を行うこと |
| C
| 協定の定めによる業務の実施により協定債権回収会社に生じた利益の納付を受けること |
| D
| 回収業務の実施に必要な指導及び助言を行うこと |
等ができる。
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| (8)管理人による管理 |
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都道府県知事又は主務大臣(この場合は、農林水産大臣及び金融庁長官をいう。)は、組合が債務超過又は貯金の払戻しの停止のおそれ等があると認めて、管理を命ずる処分を行うときは、一人又は数人の管理人を選任することとされており、機構は法人として管理人になることができる。機構が管理人に選任された場合には、他に選任された管理人と連携して、その業務に当たることとなる。
管理人の主な業務は、
@ 被管理組合の業務の執行及び財産の管理処分
A 被管理組合の役員等の経営責任の追及
B 救済組合への事業承継(合併又は事業譲渡)
等である。
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| (9)金融危機への対応のための業務 |
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主務大臣(この場合は、農林水産大臣及び内閣総理大臣をいう。)は、次の@、Aの措置を講じなければ、我が国又は当該組合が業務を行っている地域の信用秩序維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがあると認めるときは、金融危機対応会議(内閣総理大臣が議長)の議決を経て、当該措置を講ずることができる。
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| @ |
組合(Aの組合を除く。)の自己資本充実のために行う、機構による優先出資の引受け等 |
| A |
破綻又は債務超過の組合に対し、保険金の支払に必要な費用の額を超える額の機構が行う資金援助 (この場合は、機構は、主務大臣の命を受けて上記措置に関する業務を行うこととなるが、Aの措置を受ける組合には、管理を命ずる処分が行われる。) |
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| ※ |
必要な財源:組合の負担金(負担金で不足するときは政府の補助) 借入限度額:1,000億円(国会の議決による政府の債務保証あり) |
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| (10)その他の貸付け業務 |
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@ 貯金の払戻しのための資金の貸付け
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管理人による管理を命ずる処分を受けた組合又は民事再生法に基づく管財人若しくは保全管理人による管理を命ずる処分を受けた破綻組合に対し、機構は運営委員会の議決後、主務大臣の認可を受けて、貯金の払戻しのために必要な資金の貸付けを行うことができる。
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A 決済債務の弁済のための資金の貸付け
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管理人による管理を命ずる処分を受けた組合又は民事再生法に基づく管財人若しくは保全管理人による管理を命ずる処分を受けた破綻組合に対し、機構は運営委員会の議決後、主務大臣の認可を受けて、決済債務の弁済のために必要な資金の貸付けを行うことができる。
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B 資産価値の減少防止のための資金の貸付け
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管理人による管理を命ずる処分を受けた組合(再生手続開始の申立後のものに限る。)又は民事再生法に基づく管財人若しくは保全管理人による管理を命ずる処分を受けた破綻組合に対し、機構は、運営委員会の議決後、主務大臣の認可を受けて、資産価値の減少防止のために必要な資金の貸付けを行うことができる。
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| (11)立入検査業務 |
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貯金保険法では、同法の円滑な実施を確保する観点から、主務大臣(農林水産大臣、金融庁長官)又は都道府県知事が必要があると認める場合には、機構に組合に対する立入検査を行わせることができると規定されている。
機構が行うことができる立入検査は、貯金保険法第117条第6項に規定されており、
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| @ |
保険料の納付が適正に行われていること(同項第1号) |
| A |
組合に義務付けられている名寄せのためのデータベース及びシステムの整備が講ぜられていること、また支払対象決済用貯金に係る保険金の支払又はその払戻しが円滑に行われるよう機構による名寄せ結果データを速やかに処理するためのシステムの整備が講ぜられていること(同項第2号) |
| B |
組合が破綻したときの貯金等債権について弁済を受けることができると見込まれる額(同項第3号) |
| の3項目となっている。 |
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| (12)再生特例法に基づく手続 |
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機構は、再生特例法により、破綻した組合の再生・破産手続を円滑に進めるため、貯金者に代わって、再生・破産債権の届出(貯金者表を作成のうえ裁判所に提出)、再生計画案に関する議決権の行使などを行うことになっている。
機構が議決権を行使するときは、同意しようとする再生計画案の内容をあらかじめ貯金者等に通知・公告する。
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