平成に入りまして、バブル経済の崩壊に端を発した金融機関の多額の不良債権が表面化し、大規模な金融機関の経営破綻が勃発したこともあり、我が国の金融システムの安定を図ることが国政における重要課題となりました。
このため、金融制度の再編整備や金融システムにおけるセーフティネットの構築など、必要な施策が講じられてまいりました。
農・漁協系統金融機関におきましても、合併等による再編整備、自己資本比率の向上等の財務面の強化が進められるとともに、平成13年度の貯金保険法の大幅改正により、農林中央金庫、各都道府県の信用農業協同組合連合会、信用漁業協同組合連合会などが貯金保険制度の加盟機関として追加され、また、行政当局から管理命令を受けた経営困難組合の経営にあたる「公的管理人制度」が新たに創設され、当機構もその任にあたることとされました。
この間、当機構が、経営困難組合(32組合)の破綻処理に際して資金援助を行った事案は22件、1,099億円にのぼっております。また、公的管理人を命ぜられ、経営困難組合の処理にあたった事案は3件となっております。
幸い、関係行政庁、諸団体の皆様のご指導・ご協力をいただき、大きな混乱を引き起こすことなく、貯金者保護の役割を果たしてまいることができました。
このような当機構のこれまでの実績と現状につきましては、当機構のホームページに詳細を掲載しておりますので、是非、ご高覧を賜りたいと存じます。
さて、貯金者保護の範囲は、平成14年4月にペイオフの部分解禁が行われ、その後の17年4月以降はペイオフの全面解禁となり、保険の対象となる貯金等のうち、決済用貯金に該当するものは全額保護となり、それ以外の貯金等については1農水産業協同組合ごとに貯金者1名当たり元本1,000万円までとその利息等が保護されることとなっております。
現下の金融機関等を巡る厳しい環境の中で、農水産業協同組合の経営破綻時に、貯金者の保護、あるいは、地域経済及び農・漁協系統全体に与える影響を最小限に抑え、信用秩序の維持を図るという当機構の公的なセーフティネットとしての機能・役割を十分に果たせるよう、万全の態勢を確立することが重要であります。
当機構は、決して大きな組織ではございませんが、役職員一同、その任務をよく自覚し、全力を尽くしてまいりたいと存じますので、今後とも、格別のご指導・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。